かもめ句会作品集(2020年度)

    【2020年11月句会】

    兼題
    「立冬」「大根」「目貼り」

    大根を横抱きに来るあねいもと
    目張りしてより熱くなる映画論
    ひびの入る空吊るされて冬立ちぬ
    講師:佛渕雀羅

    目張りしてブルーシートで生き延びた
    平林久枝

    立冬や遠くの音に耳澄ます
    石川 毅

    大根の簾の如く吊られをり
    三浦まり子

    障子貼り隙間に目貼り冬支度
    杉山朝子

    俳優の吾れを忘れて大根炊く
    田中聖夫

    大根の千枚漬の京の白
    森 美子

    子供らと文字遊びして目貼りする
    小西多恵

    目貼りして又目貼りして過ぎる年
    埜崎寿江

    立冬や仲間と交わす暖かさ
    宮田千代子

    大根葉ふりかけになり朝をまつ
    佐々木栄

    目張りして生き延びているコロナかな
    南口圭子

    浮世より流るる香り目貼りする
    和田まちこ

    ラジオより立冬と聞く日向かな
    加藤詠子

    * * * * * * * **

    【2020年10月句会】

    兼題
    「南京豆・ピーナッツ」「松茸」「はだ寒」

    坐っても車窓の友のピーナッツ
    松茸の土瓶にひそむしめやかさ
    肌寒や上野の森のたちんぼう
    講師:佛渕 雀羅

    母の手にピーナッツむいてのせるかな
    平林久枝

    はだざむや自販機に押すホット缶
    石川 毅

    慶州や焼き松茸の香る路地
    三浦まり子

    落花生さやもふっくら双子だね
    杉山朝子

    肌寒や一つ枕に吾と猫
    田中聖夫

    松茸は高嶺の花や丹波山
    森 美子

    つぶつぶのピーナッツたべてブツブツに
    小西多恵

    バスの旅南京豆の土産つき
    埜崎寿江

    落花生ポツリくとテレビ見る
    宮田千代子

    ピーナツで進む昼酒夫笑顔
    佐々木栄

    松茸やエノキご飯に香りつけ
    南口圭子

    うすかわの羽根はえているピーナッツ
    小泉淳子

    松茸や祖母と漂う土瓶蒸し
    和田まちこ

    蔓(つる)を引く南京豆に地の香り
    加藤詠子

    * * * * * * * **

    【2020年9月句会】

    兼題
    「葡萄(ぶどう)」「十五夜」「虫しぐれ」

    デラウェアの迷路に迷う懈怠かな
    頭上より降り来る街の虫しぐれ
    黒猫が来て十五夜のにぎやかさ
    講師:佛渕 雀羅

    路地裏に虫時雨おく屋台酒
    平林 久枝

    座禅する庵の外の虫時雨
    石川 毅

    十五夜や平家盛衰琵琶語る
    三浦 まり子

    爪切った夜空十五夜笑ってる
    杉山 朝子

    トンネルを抜けて甲州ぶどう境
    田中聖夫

    マスカットワインに甘きクラシック
    森 美子

    十五夜に負けずおとらずむくみ顔
    小西 多恵

    手量りで思案するなり葡萄狩り
    埜崎 寿江

    十五夜の月を知らせて来たる友
    宮田 千代子

    雨上がり窓を開ければ虫時雨
    南口 圭子

    手のひらのブドウの房の宇宙かな
    小泉 淳子

    コロナ禍や葡萄七色貴腐ワイン
    和田 まちこ

    十五夜に団子丸めてはしゃぐ君
    加藤 詠子

    * * * * * * * **

      【2020年7月句会】

      兼題
      「日盛り」「夜蝉」「百物語」

      国会や百物語二百まで
      香箱の向き変はりをり夜鳴蝉
      置き去りになる日盛りの三輪車
      講師:佛渕 雀羅

      日のさかり靴あと残るアスファルト
      平林 久枝

      百物語覗いてみたいよみのくに
      石川 毅

      夜蝉なく人影もなき屋敷町
      三浦 まり子

      日盛りや貯水池は子の遊び場所
      杉山 朝子

      夜の蝉半鳴きしてはそのままに
      田中聖夫

      一日終え百物語夢に見て
      埜崎 寿江

      百物語我も仲間の一人かな
      宮田 千代子

      存分に鳴き続けての蝉の夜
      佐々木 榮

      毎日が百物語この世でも
      南口 圭子

      リモートの百物語窓の闇
      小泉 淳子

      夜蝉鳴く月に願いし更年期
      和田 まちこ

      日盛りにパラソルの花咲きほこる
      加藤 詠子

      * * * * * * * **

      【2020年6月句会】

      兼題
      「チェリー」「かび」「田植え」

      黴匂う地下に聴きたるコルトレーン
      うつくしき約束のありさくらんぼ
      牛の瞳(め)をまぢかにしたる田植かな
      講師:佛渕 雀羅

      夫婦して昔ながらの田植えかな
      平林 久枝

      ステイホーム心にかびがはえてきた
      石川 毅

      天皇家代々つなぐ田植えかな
      三浦 まり子

      雨だれにカビの出てくる藁屋かな
      杉山 朝子

      田植え唄なき田植えする機械かな
      田中 聖夫

      千枚田田植え賑わうボランティア
      埜崎 寿江

      背嚢(はいのう)やかびを育てる残り物
      宮田 千代子

      もたいなやカビを取りつつ捨てるパン
      佐々木 榮

      さくらんぼ来世も兄と妹に
      南口 圭子

      田植えして等間隔のディスタンス
      小泉 淳子

      あれからのガラスの靴やカビの花
      和田 まちこ

      いそがしい日を口実のパンのかび
      加藤 詠子

      * * * * * * * **

      【2020年5月句会】

      兼題
      「夏来(きた)る」「ちまき」「若葉」

      あくまきや海鼠(なまこ)の夢を半ばまで
      手を振れぬ別れなりけり若葉中
      夏来るやジーンズ店の空光る
      講師:佛渕 雀羅

      ちまき手に背丈をきそう柱泣く
      平林 久枝

      雨上がり窓の外には夏来たる
      石川 毅

      緑濃し若葉しげりて屋根を超す
      三浦 まり子

      ふるさとの山一斉に若葉中
      杉山 朝子

      あんこ嫌い我がちまきには黄粉つけ
      田中 聖夫

      まどろみの眼鏡上げるや夏来たる
      埜崎 寿江

      トンネルを抜けて欅の若葉かな
      宮田 千代子

      青空に背くらべするネギボウズ
      佐々木 榮

      夏来たるボンキュッボンに思い馳せ
      南口 圭子

      後ずさりする光あり夏来(きた)る
      小泉 淳子

      縁側に母の笑いやちまきの葉
      和田 まちこ

      赤信号待つ手に上着夏きたる
      加藤 詠子

      * * * * * * * **

      【2020年4月句会】

      兼題
      「春日傘」「葱坊主」「夜桜」

      くらやみに息揃へゐるねぎ坊主
      肩に猫乗せて回りし春日傘
      夜桜のそこだけ熱を持つ樹の根
      講師:佛渕 雀羅

      寄りそってなぎさを歩く春日傘
      平林 久枝

      嫁ぐ前つばひろ帽に春日傘
      石川 毅

      コロナにもまけずに育つ葱坊主
      三浦 まり子

      幼き日畑の隅に葱坊主
      杉山 朝子

      深谷村見渡す限り葱坊主
      田中 聖夫

      買おきの袋の中のねぎ坊主
      埜崎 寿江

      夜桜や場所取り先にコロナアリ
      宮田 千代子

      夜桜や娘と並ぶ風呂帰り
      南口 圭子

      旅先の開く間もなし春日傘
      小泉 淳子

      葱坊主何処まで届く宇宙の子
      和田 まち子

      手つなげば夜桜の冷えここちよし
      加藤 詠子

      かもめ句会作品集(2019年度)

      ひとりで悩んでいないで、ご一緒に!一緒に暮らしやすい中野の街を作りましょう!

      Scroll Up