かもめ句会作品集(2020年度)

    【2021年2月句会】

    兼題
    「春さむ」「梅が香」「蕗味噌」

    金継ぎをして蕗味噌の出番かな
    春寒や緑の瓶の置き所
    梅香る夜風に迷路めきし街
    講師:佛渕雀羅

    臘梅を見続けて頬つめたかり
    久枝

    ふきみそや父は熱燗母御飯

    梅が香に誘われそぞろ歩きかな
    まり子

    畳目の一目づつ春伸びてくる
    朝子

    春寒し長病み肩を深々と
    聖夫

    散歩中梅の香に足止まる
    多恵

    一日終えちびりちびりの蕗の味噌
    寿江

    春さむや洒落着で通すひとのうた

    梅の香や花を愛でるか実を待つか
    圭子

    店先の蕗味噌舐めるバスハイク
    淳子

    梅が香や気まま楽しむつがい鳥
    まちこ

    春さむや夕暮れ1人急ぎ足
    詠子

    * * * * * * * **

    【2021年1月句会】

    兼題
    「元日」「福寿草」「笑初(わらいぞめ)」

    元日の風を馳走の喫茶店
    陽の当たる窓に引越す福寿草
    ひかえめな会食ばかり初笑
    講師:佛渕雀羅

    笑初マスクがかくす紅のあと
    久枝

    元日や一番に起き炭おこす

    笑初猫も座ってテレビ見る
    まり子

    元旦も一人で聴いているラジオ
    朝子

    我が誤字の五字に及びて笑いぞめ
    聖夫

    しあわせの約束をする福寿草
    多恵

    日の中に水をよろこぶ福寿草
    寿江

    ホラここと名告りを上げる福寿草

    元旦の風呂屋に仰ぐ鶴と富士
    圭子

    元旦の洗濯物や冷えキリリ
    淳子

    正月や綿菓子積もる銀世界
    まちこ

    コロナ禍や街に人なきお元日
    詠子

    * * * * * * * **

    【2020年11月句会】

    兼題
    「立冬」「大根」「目貼り」

    大根を横抱きに来るあねいもと
    目張りしてより熱くなる映画論
    ひびの入る空吊るされて冬立ちぬ
    講師:佛渕雀羅

    目張りしてブルーシートで生き延びた
    久枝

    立冬や遠くの音に耳澄ます

    大根の簾の如く吊られをり
    まり子

    障子貼り隙間に目貼り冬支度
    朝子

    俳優の吾れを忘れて大根炊く
    聖夫

    大根の千枚漬の京の白
    美子

    子供らと文字遊びして目貼りする
    多恵

    目貼りして又目貼りして過ぎる年
    寿江

    立冬や仲間と交わす暖かさ
    千代子

    大根葉ふりかけになり朝をまつ

    目張りして生き延びているコロナかな
    圭子

    浮世より流るる香り目貼りする
    まちこ

    ラジオより立冬と聞く日向かな
    詠子

    * * * * * * * **

    【2020年10月句会】

    兼題
    「南京豆・ピーナッツ」「松茸」「はだ寒」

    坐っても車窓の友のピーナッツ
    松茸の土瓶にひそむしめやかさ
    肌寒や上野の森のたちんぼう
    講師:佛渕 雀羅

    母の手にピーナッツむいてのせるかな
    久枝

    はだざむや自販機に押すホット缶

    慶州や焼き松茸の香る路地
    まり子

    落花生さやもふっくら双子だね
    朝子

    肌寒や一つ枕に吾と猫
    聖夫

    松茸は高嶺の花や丹波山
    美子

    つぶつぶのピーナッツたべてブツブツに
    多恵

    バスの旅南京豆の土産つき
    寿江

    落花生ポツリくとテレビ見る
    千代子

    ピーナツで進む昼酒夫笑顔

    松茸やエノキご飯に香りつけ
    圭子

    うすかわの羽根はえているピーナッツ
    淳子

    松茸や祖母と漂う土瓶蒸し
    まちこ

    蔓(つる)を引く南京豆に地の香り
    詠子

    * * * * * * * **

    【2020年9月句会】

    兼題
    「葡萄(ぶどう)」「十五夜」「虫しぐれ」

    デラウェアの迷路に迷う懈怠かな
    頭上より降り来る街の虫しぐれ
    黒猫が来て十五夜のにぎやかさ
    講師:佛渕 雀羅

    路地裏に虫時雨おく屋台酒
    久枝

    座禅する庵の外の虫時雨

    十五夜や平家盛衰琵琶語る
    まり子

    爪切った夜空十五夜笑ってる
    朝子

    トンネルを抜けて甲州ぶどう境
    聖夫

    マスカットワインに甘きクラシック
    美子

    十五夜に負けずおとらずむくみ顔
    多恵

    手量りで思案するなり葡萄狩り
    寿江

    十五夜の月を知らせて来たる友
    千代子

    雨上がり窓を開ければ虫時雨
    圭子

    手のひらのブドウの房の宇宙かな
    淳子

    コロナ禍や葡萄七色貴腐ワイン
    まちこ

    十五夜に団子丸めてはしゃぐ君
    詠子

    * * * * * * * **

      【2020年7月句会】

      兼題
      「日盛り」「夜蝉」「百物語」

      国会や百物語二百まで
      香箱の向き変はりをり夜鳴蝉
      置き去りになる日盛りの三輪車
      講師:佛渕 雀羅

      日のさかり靴あと残るアスファルト
      久枝

      百物語覗いてみたいよみのくに

      夜蝉なく人影もなき屋敷町
      まり子

      日盛りや貯水池は子の遊び場所
      朝子

      夜の蝉半鳴きしてはそのままに
      聖夫

      一日終え百物語夢に見て
      寿江

      百物語我も仲間の一人かな
      千代子

      存分に鳴き続けての蝉の夜

      毎日が百物語この世でも
      圭子

      リモートの百物語窓の闇
      淳子

      夜蝉鳴く月に願いし更年期
      まちこ

      日盛りにパラソルの花咲きほこる
      詠子

      * * * * * * * **

      【2020年6月句会】

      兼題
      「チェリー」「かび」「田植え」

      黴匂う地下に聴きたるコルトレーン
      うつくしき約束のありさくらんぼ
      牛の瞳(め)をまぢかにしたる田植かな
      講師:佛渕 雀羅

      夫婦して昔ながらの田植えかな
      久枝

      ステイホーム心にかびがはえてきた

      天皇家代々つなぐ田植えかな
      まり子

      雨だれにカビの出てくる藁屋かな
      朝子

      田植え唄なき田植えする機械かな
      聖夫

      千枚田田植え賑わうボランティア
      寿江

      背嚢(はいのう)やかびを育てる残り物
      千代子

      もたいなやカビを取りつつ捨てるパン

      さくらんぼ来世も兄と妹に
      圭子

      田植えして等間隔のディスタンス
      淳子

      あれからのガラスの靴やカビの花
      まちこ

      いそがしい日を口実のパンのかび
      詠子

      * * * * * * * **

      【2020年5月句会】

      兼題
      「夏来(きた)る」「ちまき」「若葉」

      あくまきや海鼠(なまこ)の夢を半ばまで
      手を振れぬ別れなりけり若葉中
      夏来るやジーンズ店の空光る
      講師:佛渕 雀羅

      ちまき手に背丈をきそう柱泣く
      久枝

      雨上がり窓の外には夏来たる

      緑濃し若葉しげりて屋根を超す
      まり子

      ふるさとの山一斉に若葉中
      朝子

      あんこ嫌い我がちまきには黄粉つけ
      聖夫

      まどろみの眼鏡上げるや夏来たる
      寿江

      トンネルを抜けて欅の若葉かな
      千代子

      青空に背くらべするネギボウズ

      夏来たるボンキュッボンに思い馳せ
      圭子

      後ずさりする光あり夏来(きた)る
      淳子

      縁側に母の笑いやちまきの葉
      まちこ

      赤信号待つ手に上着夏きたる
      詠子

      * * * * * * * **

      【2020年4月句会】

      兼題
      「春日傘」「葱坊主」「夜桜」

      くらやみに息揃へゐるねぎ坊主
      肩に猫乗せて回りし春日傘
      夜桜のそこだけ熱を持つ樹の根
      講師:佛渕 雀羅

      寄りそってなぎさを歩く春日傘
      久枝

      嫁ぐ前つばひろ帽に春日傘

      コロナにもまけずに育つ葱坊主
      まり子

      幼き日畑の隅に葱坊主
      朝子

      深谷村見渡す限り葱坊主
      聖夫

      買おきの袋の中のねぎ坊主
      寿江

      夜桜や場所取り先にコロナアリ
      千代子

      夜桜や娘と並ぶ風呂帰り
      圭子

      旅先の開く間もなし春日傘
      淳子

      葱坊主何処まで届く宇宙の子
      まち子

      手つなげば夜桜の冷えここちよし
      詠子

      かもめ句会作品集(2019年度)

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