かもめ句会作品集(2020年度)

    【2020年9月句会】

    兼題
    「葡萄(ぶどう)」「十五夜」「虫しぐれ」

    デラウェアの迷路に迷う懈怠かな
    頭上より降り来る街の虫しぐれ
    黒猫が来て十五夜のにぎやかさ
    講師:佛渕 雀羅

    路地裏に虫時雨おく屋台酒
    平林 久枝

    座禅する庵の外の虫時雨
    石川 毅

    十五夜や平家盛衰琵琶語る
    三浦 まり子

    爪切った夜空十五夜笑ってる
    杉山 朝子

    トンネルを抜けて甲州ぶどう境
    田中聖夫

    マスカットワインに甘きクラシック
    森 美子

    十五夜に負けずおとらずむくみ顔
    小西 多恵

    手量りで思案するなり葡萄狩り
    埜崎 寿江

    十五夜の月を知らせて来たる友
    宮田 千代子

    雨上がり窓を開ければ虫時雨
    南口 圭子

    手のひらのブドウの房の宇宙かな
    小泉 淳子

    コロナ禍や葡萄七色貴腐ワイン
    和田 まちこ

    十五夜に団子丸めてはしゃぐ君
    加藤 詠子

    * * * * * * * **

      【2020年7月句会】

      兼題
      「日盛り」「夜蝉」「百物語」

      国会や百物語二百まで
      香箱の向き変はりをり夜鳴蝉
      置き去りになる日盛りの三輪車
      講師:佛渕 雀羅

      日のさかり靴あと残るアスファルト
      平林 久枝

      百物語覗いてみたいよみのくに
      石川 毅

      夜蝉なく人影もなき屋敷町
      三浦 まり子

      日盛りや貯水池は子の遊び場所
      杉山 朝子

      夜の蝉半鳴きしてはそのままに
      田中聖夫

      一日終え百物語夢に見て
      埜崎 寿江

      百物語我も仲間の一人かな
      宮田 千代子

      存分に鳴き続けての蝉の夜
      佐々木 榮

      毎日が百物語この世でも
      南口 圭子

      リモートの百物語窓の闇
      小泉 淳子

      夜蝉鳴く月に願いし更年期
      和田 まちこ

      日盛りにパラソルの花咲きほこる
      加藤 詠子

      * * * * * * * **

      【2020年6月句会】

      兼題
      「チェリー」「かび」「田植え」

      黴匂う地下に聴きたるコルトレーン
      うつくしき約束のありさくらんぼ
      牛の瞳(め)をまぢかにしたる田植かな
      講師:佛渕 雀羅

      夫婦して昔ながらの田植えかな
      平林 久枝

      ステイホーム心にかびがはえてきた
      石川 毅

      天皇家代々つなぐ田植えかな
      三浦 まり子

      雨だれにカビの出てくる藁屋かな
      杉山 朝子

      田植え唄なき田植えする機械かな
      田中 聖夫

      千枚田田植え賑わうボランティア
      埜崎 寿江

      背嚢(はいのう)やかびを育てる残り物
      宮田 千代子

      もたいなやカビを取りつつ捨てるパン
      佐々木 榮

      さくらんぼ来世も兄と妹に
      南口 圭子

      田植えして等間隔のディスタンス
      小泉 淳子

      あれからのガラスの靴やカビの花
      和田 まちこ

      いそがしい日を口実のパンのかび
      加藤 詠子

      * * * * * * * **

      【2020年5月句会】

      兼題
      「夏来(きた)る」「ちまき」「若葉」

      あくまきや海鼠(なまこ)の夢を半ばまで
      手を振れぬ別れなりけり若葉中
      夏来るやジーンズ店の空光る
      講師:佛渕 雀羅

      ちまき手に背丈をきそう柱泣く
      平林 久枝

      雨上がり窓の外には夏来たる
      石川 毅

      緑濃し若葉しげりて屋根を超す
      三浦 まり子

      ふるさとの山一斉に若葉中
      杉山 朝子

      あんこ嫌い我がちまきには黄粉つけ
      田中 聖夫

      まどろみの眼鏡上げるや夏来たる
      埜崎 寿江

      トンネルを抜けて欅の若葉かな
      宮田 千代子

      青空に背くらべするネギボウズ
      佐々木 榮

      夏来たるボンキュッボンに思い馳せ
      南口 圭子

      後ずさりする光あり夏来(きた)る
      小泉 淳子

      縁側に母の笑いやちまきの葉
      和田 まちこ

      赤信号待つ手に上着夏きたる
      加藤 詠子

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      【2020年4月句会】

      兼題
      「春日傘」「葱坊主」「夜桜」

      くらやみに息揃へゐるねぎ坊主
      肩に猫乗せて回りし春日傘
      夜桜のそこだけ熱を持つ樹の根
      講師:佛渕 雀羅

      寄りそってなぎさを歩く春日傘
      平林 久枝

      嫁ぐ前つばひろ帽に春日傘
      石川 毅

      コロナにもまけずに育つ葱坊主
      三浦 まり子

      幼き日畑の隅に葱坊主
      杉山 朝子

      深谷村見渡す限り葱坊主
      田中 聖夫

      買おきの袋の中のねぎ坊主
      埜崎 寿江

      夜桜や場所取り先にコロナアリ
      宮田 千代子

      夜桜や娘と並ぶ風呂帰り
      南口 圭子

      旅先の開く間もなし春日傘
      小泉 淳子

      葱坊主何処まで届く宇宙の子
      和田 まち子

      手つなげば夜桜の冷えここちよし
      加藤 詠子

      かもめ句会作品集(2019年度)

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