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【2019年2月句会】
梅林や屋台で出会う馴染顔
久枝
においたつ夜の梅林抜けにけり
毅
浅春やパリを歩きし友の逝く
まり子
残雪の割れ目に芽吹くふきのとう
朝子
梅郷や谷間に生える青梅線
聖夫
白杖に蕗のとう置く道の駅
寿江
爺婆の越生梅林声高し
千代子
隣家をつなぐ小土手や蕗のとう
榮
春浅し三浦の空は祭り色
あけみ
梅林や振りそできそう孫むすめ
瑛子
ほろ苦き母の小言や福寿草
圭子
ふきのとうそこだけにある日差しかな
淳子
【2019年1月句会】
初雀声する方に耳すます
久枝
米粒を庭に投げたら初雀
毅
寝正月夢で会いたい父と母
まり子
寝正月おしゃべり人形お友達
朝子
紅白は見ざる聞かざる寝正月
聖夫
音も無く片付け済んで寝正月
寿江
一番に挨拶受けし初雀
千代子
変りなき庭に小太り初雀
榮
初空や老いても亥年まっしぐら
あけみ
寝正月猫だけ居間で食事中
瑛子
靴脱ぎに仲良く揃う初雀
圭子
初雀地道にチョンと歩きをり
淳子
【2018年11月句会】
得意げに田畑を守る案山子かな
久枝
父に似た案山子のにらむ田んぼかな
毅
枯葉踏み枯葉色した猫がゆく
まり子
ひだまりの落葉踏みしめほっかほっか
朝子
日向ぼこねこ伸び伸びて八頭身
聖夫
自転車の籠に二、三の柿落葉
寿江
見覚えの衣裳をまとう案山子かな
千代子
嫁ぎ来て猫に寄り添う日向ぼこ
榮
背な向けて日向ぼこする駅ホーム
あけみ
リハビリや落葉集めし袋づめ
瑛子
子どもらに木の葉隠れの平和森
圭子
人間の開きとなりて日向ぼこ
淳子
【2018年10月句会】
爽やかな彼と出会ったあのホーム
久枝
還暦やサンマのわたの旨さ知る
毅
ふるまいの目黒のサンマ人のうず
まり子
どんぐりを粉に戦後のおやきだよ
朝子
団栗の細身太身と手に握る
聖夫
輪になって園児は秋刀魚うまく食べ
寿江
にらんでるお頭付きのサンマかな
千代子
どんぐりの独楽に変身子供会
榮
抜けてゆく赤い鳥居の風さやか
あけみ
ドングリや競いて拾う夕御苑
瑛子
団栗やのっぽにずんぐり平和森
圭子
丸皿にピンとはみ出るサンマかな
淳子
【2018年9月句会】
縁側の足はぶらぶら虫の声
久枝
台風のおきみやげかなゴム草履
毅
名月を愛でつつ終るジャズフェスタ
まり子
台風に瓦を飛ばす力かな
朝子
ファーブルの耳はいかがか虫の声
聖夫
人住まぬ屋敷に虫の声高し
寿江
名月に重ねて見るは母の顔
千代子
名月を連れて潜り戸里がえり
榮
台風の道にらみつつ旅支度
あけみ
名月や綠道みつけ缶ビール
瑛子
虫の声迎えてくれる帰り道
圭子
名月に涙鎮めてコンビニへ
淳子
【2018年7月句会】
手花火をこぼし続ける夜の海
久枝
完熟のトマトほおばり息をつく
毅
炎天下一杯の水受けにけり
まり子
まき背おい山道いく度炎天下
朝子
いわし雲降伏遅きに失したり
聖夫
ミニトマトつかみ取りなる道の駅
寿江
味見する世界のトマト市場かな
千代子
炎天やすぐ終わりたるかくれんぼ
榮
右左赤赤玉のトマト狩り
あけみ
青臭きトマト食むなり幼き日
瑛子
炎天下ガイドヘルパーチャリで行く
圭子
大花火正座の母の笑み深し
淳子
【2018年6月句会】
今だ見ぬ声を聞きたやほととぎす
久枝
つゆどきの鎌倉巡る初デート
毅
あの声で朝来て鳴くや時鳥
まり子
かやぶきの家の茸や梅雨半ば
朝子
子規庵にきて囀るやホトトギス
聖夫
湯の里の暗闇に聞く時鳥
寿江
巡礼の足を止めたる時鳥
千代子
梅雨もよし師を待つホーム上野駅
榮
持て余す傘一本や梅雨晴間
あけみ
仏壇の皿より落つやサクランボ
瑛子
幼子のほっぺにふるるサクランボ
圭子
子ども部屋空きしままなり梅雨最中
淳子
【2018年5月句会】
初夏の潮風遠き故郷かな
久枝
キラキラと若葉の光る雨上り
毅
更衣して駅員の声軽し
まり子
ふらついて襖の穴や更衣
朝子
夏立つや田づくり見たし稲恋し
聖夫
吹き晴れて話の尽きぬ夏の旅
寿江
踏まれてる雑草強し若葉見る
千代子
初夏や犬の目つむるトリミング
榮
初夏や光の中の早瀬川
あけみ
これは派手これは地味やと初夏の午後
瑛子
チャリでゆく中野通りや若葉風
圭子
髪切って初夏へ飛び出す女の子
淳子
【2018年4月句会】
手のひらに仔猫を置いて去る娘
久枝
クラス替悲喜こもごもの四月かな
毅
急降下尾長に子猫首すくめ
まり子
八重桜ライトをあびて他をも美化
朝子
子猫らのしがみつく手手母たまらん
聖夫
年重ね耐えて辛抱四月来る
寿江
ありがとう七十七の四月なり
千代子
夜桜の闇に黙(もだ)せる少女かな
榮
四月馬鹿ふわりふわりと風とおる
あけみ
未知という希望に向う四月かな
圭子
真っ直ぐに行ってきますという四月
淳子
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