【2023年5月句会】
五月の兼題
「バラ」「泉」「ちまき」
乾き切るまでの矜持を白薔薇
朝影の泉に音の崩れけり
糸で切る粽を分けてゐる小家
講師:佛渕雀羅
手間かけしちまきで祝う初節句
毅
ちまき食べ背を計った兄は無き
久枝
バラ園や香りの中で同化する
紫苑
夕飯の買い出し急ぐ路地にバラ
栄
薔薇園や花の数より人の数
寿江
薔薇園や色とりどりの傘の華
圭子
オフィーリア泉に浮かぶ花言葉
まちこ
この恋をコインにたくす泉かな
詠子
ブティックに薔薇のアーチや友と会う
貴子
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【2023年4月句会】
四月の兼題
「花冷え」「雀の子」「草餅」
おびんづる様の目つむる花の冷え
まろぶこと先づ一番に雀の子
福耳の大仏ならむよもぎ餅
講師:佛渕雀羅
花冷えもあなたのうでのなかならば
毅
草餅を食べては母を思い出す
久枝
草餅や鼻をくすぐる蓬の香
紫苑
雀の子庭の三羽にまた一羽
栄
草餅に足速となる帰宅かな
寿江
庭先に我を待つのか雀の子
圭子
花冷えや初恋に似た心電図
まちこ
病には触れぬ見舞ひやよもぎ餅
詠子
花冷えの中の正座や一人ゴザ
貴子
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